役員報酬と役員給与

特定非営利活動促進法(NPO法)では、NPO法人の役員について
第二条で「役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であること」
第十五条で「特定非営利活動法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない」
と定められています。
そのため役員の数が少ないと1人しか報酬を受け取ることができないので、それ以外の理事などは無給でなければならない、と考える人が多いです。

しかしここでは役員としての報酬について規定されていて、この場合の報酬は役員としての地位や職務に対して与えられるものと考えられますので、理事が職員と同じ仕事をして職員と同じ条件で受ける給与はこれとは分けて考えて、この労務の対価としての給与については受け取ることができると考えられます。
NPO法人の運営では一般の会社と違って役員とそれ以外の人たちが明確に分けられていることが少なく、またそもそものNPO法人設立の経緯から理事といっても職員と同じ役割を先頭に立ってこなしていることが多いですので、このNPO法における役員の報酬と給与の関係については正しく理解することが必要です。

これによってNPO法上ではクリアされると思いますが、ここで別の問題が出てきます。

法人税法では、第三十四条で役員給与について、定期同額給与(毎月同じ金額を支給)、事前確定届出給与その他の厳しい定めがあります。
法人税法上の役員給与は、報酬・給与・手当・その他の経済的利益など名目を問わず全てが対象になりますので、これらの全てを含めたものが定期同額給与など法人税法の規定に該当するように注意する必要があります。
一方、使用人兼務役員の使用人分給与については、ここから除かれることになっていますので、上記のような理事が職員と同じ仕事をして同じ条件で受けた給与については使用人分給与として分けて考えることができます。

ただし役員が誰でも使用人兼務役員になれるわけではなく、代表理事や、専務や常務その他の役職を有する理事、監事などは使用人兼務役員になることができませんので、たとえ職員と同じ仕事をして同じ条件で受けた給与であっても法人税法上は役員給与として扱われることになりますので、定期同額給与などの条件を満たすことが必要になります。

NPO法と法人税法は、そもそもが全く別の法律ですが、
NPO法人であるためにはNPO法に則ったものであることが必要であり、
また、法人である以上は法人税法の対象になりますので、
それぞれの法律に対応することが重要です。