NPO法人の財務諸表等:貸借対照表

NPO法人会計基準の Ⅲ 財務諸表等の体系と構成
8.NPO法人は、財務諸表(活動計算書及び貸借対照表)及び財産目録を作成しなければならない

この中に貸借対照表とありますが、貸借対諸表は、NPO法人の、資産、負債、正味財産、それぞれの年度末時点の有高を示すものです。

資産は、現金、預金、車両、パソコンなどの備品、土地、建物などの財産のことです。すでに受け取る権利が確定していてまだ入金していない未収入金や、いずれ戻ってくる予定の貸付金、敷金、預けた保証金なども資産に含まれます。
現金や預金などは実際の残高、車両や建物、備品などの固定資産は減価償却をした残高が分かるように表示します。

負債は、支払う義務が確定している買掛金、未払金、返す義務がある借入金(短期・長期)などです。
科目ごとに、実際に義務が確定している金額(請求された額や借入金の残高など)を表示します。

正味財産は、資産から負債を引いた差額をいいます。
財産といっても、自己資金で成り立っている部分と、借入などの返済する義務のある負債から成り立っている部分(=自己資金ではない部分)がありますので、資産から負債を引いた額が、そのNPO法人の正味の財産ということになります。
前期繰越正味財産、当期正味財産増減額で表示します。

貸借対照表の前期繰越正味財産と当期正味財産増減額は、活動計算書と同じ金額を記載します。
これは、当期の正味財産の増減が、事業年度の活動の結果として得られた収益とそれに要した費用の差額として、活動計算書の中で算出されるためです。

しかしその一方で、当期正味財産増減額と現金預金の増減額を比べてみると、そのまま一致しているわけではありません。
その理由の1つは、未収入金や買掛金、未払金など、受け取る権利や支払う義務として確定しているものの、まだ実際にはお金が動いていないという、発生主義と現金収支のタイミングのズレによるものです。
もう1つの理由は、新たな借入による入金や、借入金の返済による支出など、活動計算書に表示されない資金の動きがあるためです。
これらの、活動計算書で算出した当期正味財産増減額と、実際の資金の動き、この相違の原因を表してくれるのが貸借対照表です

貸借対照表を細かく分析することで、お金の流れ(キャッシュフロー)を把握することができます。
団体を健全に継続させるために必要な「財務状況の分析」には、これを必ず活用します。
また、活動計画を立てる際には、キャッシュフローを意識して中期や長期の計画を立てることが重要です。

そのため、NPO法人の経営(運営)をする人や、団体への寄付を考える人にとっては、貸借対照表から団体の状況を見抜く能力は必須です。

参考:NPO法人の財務諸表等:活動計算書